エナメル質の表面が白く濁った状態、または溝が茶色になった状態で、見た目ではほとんどわかりません。 再石灰化(溶け出したカルシウムが再び歯の表面に戻ろうとする作用)が期待できるので、しっかりと歯磨きをして進行を防ぎましょう。
エナメル質内に細菌が進入し、穴が空いた状態で、再石灰化はほとんど期待できません。この時点では、痛みを伴う自覚症状はほとんどありません。
象牙質まで細菌が進入した状態です。 象牙質は柔らかいので中で大きく広がり、冷たいものなどがしみるようになります。暖かいものや甘いものがしみるようになると、歯髄を取る可能性が高くなります。
歯髄(歯の内部にある神経と血管で構成される組織)まで細菌が進入した状態で、炎症を起こして激しい痛みを感じます。熱いものなどがしみてきて、ズキズキ痛み出します。これを『歯髄炎』といいます。
歯の根だけが残った状態です。神経が死んでしまっているので、痛みを感じなくなります。さらに放置すると、根の先から歯根膜(歯根と歯槽骨を繋いでいる繊維性結合組織)に炎症が起こり、硬いものを噛むと痛みや違和感を覚えます。
骨の中まで細菌が進入し、根の先に細菌と膿がたまっている状態です。症状はあまりないのですが、細菌の力と体の免疫のバランスが崩れると、膿の量が増えて激しく痛みます。 症状がある場合や根尖病巣が大きい場合は、根の中に消毒薬を入れて細菌の数を減らし、痛みを抑える必要があります。
しかし、1度根の先に細菌が侵入すると完全に除去することは不可能で、再発の可能性が出てしまいます。
局所麻酔を行なう前に、麻酔を歯肉の表面に塗ります。それによって粘膜の表面の感覚が麻痺、注射針が刺さるときの痛みを軽減できます。
吸入用マスクを装着して笑気を吸入することで頭がぼんやりとし、恐怖や痛みを感じにくくなります。
鎮静剤や鎮痛剤を点滴から少しずつ静脈内に投与する方法です。数分で薬剤が効いてきますが、意識はあるので会話をすることが可能です。
注射が痛い理由は、薬剤を注入するときの圧力にむらが生じることにありますが、コンピューター制御の電動注射器を使用することで、ゆっくりと痛くないように麻酔液が注入できます。また、手動で行なう注射よりも細い針を使用しているため、刺したときの痛みも軽減できます。