歯周病とは
- 歯周病とは、歯と歯茎の間に菌が入り込んで少しずつ歯槽骨(歯を支えている骨)を溶かし、最終的には歯が抜け落ちてしまうという病気です。
主な原因は、歯と歯茎の間に溜まるプラーク(歯垢)と歯石に繁殖する菌によるものです。
歯周病は『沈黙の病気』ともいわれており、発症しても痛みがないため自覚症状のないまま進行していき、気づいたら重症になっていた、ということもあります。
そうならないためにも、毎食後に丁寧な歯磨きを行ない、3~6ヵ月に1回、歯科医院でスケーリング(歯周ポケットの奥深くの歯石などを器具を使って除去すること)やルートプレーニング(汚れたり柔らかくなってしまった歯根表面を除去して歯肉の再接着を期待する処置)を受けるなど、意識的に予防に努めることが大切です。
歯周病の進行
歯周病は、『歯肉炎』から『歯周炎』へと少しずつ進行していきます。
- 歯肉炎
- 歯周病の初期症状で歯茎は赤みを帯び、ブラッシングで出血します。
歯槽骨にはまだ影響がなく、歯周ポケットは3~4mmほどです。
正しい方法で歯磨きを行なえば、健康な状態に戻すことができます。
- 歯周炎
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- 〈軽度歯周炎〉
歯周ポケットが4~5mmになり、プラークや歯石が溜まって炎症が強くなります。
また、歯槽骨の吸収も始まります。
自覚があまりなくても、歯科医院での検査を受けましょう。
- 〈中度歯周炎〉
歯周ポケットが5~7mmになり、歯茎の炎症が悪化します。
食事がしにくくなり、指で歯を押すとグラグラします。
歯槽骨の吸収もどんどん進行しているので、歯科医院で治療を受ける必要があります。
- 〈重度歯周炎〉
軽度の歯周病の場合、歯科医院でスケーリングを受け、2~3か月歯磨きを励行すれば治ります。
しかし重度の歯周病になると、スケーリングや歯磨きだけでは治らず、外科手術を行なって歯周組織や歯槽骨の再生を促す必要が出てきます。
ここでは、『GTR』と『エムドゲイン』2つの方法をご紹介します。
歯周病の治療法
- 軽度の歯周病の場合、歯科医院でスケーリングを受け、2~3か月歯磨きを励行すれば治ります。
しかし重度の歯周病になると、スケーリングや歯磨きだけでは治らず、外科手術を行なって歯周組織や歯槽骨の再生を促す必要が出てきます。
ここでは、『GTR』と『エムドゲイン』2つの方法をご紹介します。
- GTR
- 『GTR』とは、部分的に溶けてしまった歯槽骨を回復させる治療法です。
歯周病で溶けた歯槽骨は、治療を行なっても回復することはありません。
たとえスケーリングやルートプレーニング(歯周ポケットの奥深くの歯石などの除去)で歯周ポケット内部を清掃しても、そのまま放置して治癒を待っていると、歯槽骨の再生を待たずに約1週間で歯肉がそこに入り込み、歯周組織(歯槽骨、歯根膜)ができるスペース埋めてしまいます。
それを防ぐため、歯周ポケット内部を清掃した後『メンブレン』と呼ばれる膜で覆い、歯肉の入り込みを防ぎます。
そうすることによって、1ヵ月に約1mmずつ、メンブレンの下に歯周組織が再生していきます。
個人差がありますが、一般的には数ヶ月で新しい歯槽骨と歯根膜が再生します。
- エムドゲイン
- 『エムドゲイン』とは、歯周組織再生療法の1つで、スウェーデンで開発された歯周組織再生誘導材料、『エムドゲインゲル』という薬剤を使用します。
エムドゲインゲルの主成分は、幼少期の歯の萌出過程で重要な働きをするたん白質の一種です。
これはブタの歯胚から抽出精製したもので、世界40ヵ国以上で使用されています。
患部にエムドゲインゲルを塗布することにより、歯の萌出過程に似た環境を再現できるため、初めて歯が生えたときと同じような機能する歯周組織の再生を促します。