顎関節症

顎関節症

顎関節症とは
顎関節症とは
『顎関節症』とは、顎関節周辺に何らかの異常を発症する慢性的な疾患のことをいいます。
顎関節は両耳の直前に位置する関節で、下顎骨の一部です。下顎骨は顔で唯一可動する骨で、上顎骨を支点に関節で動きます。
上顎骨と下顎骨はそれぞれ歯を保持しているので、何らかの原因で噛み合わせと関節のバランスに問題が起こると、関節円板や筋肉に悪影響を及ぼし、顎関節症が起こりやすくなってしまいます。関節円板とは上顎骨と下顎骨のクッションの役割を果たす軟組織のことで、この関節円板のすべりが悪くなったり位置がずれることによって生じる諸症状を指します。
以下に顎関節症の主な症状をあげるので、症状に心当たりのある方はぜひ当院にご相談ください。

顎関節症の主な症状
顎関節症になると、「顎が痛い」、「顎を動かすと音がする」、「口が開けにくい」といった症状や、「肩こり」「首のこり」、「頭痛」、「耳鳴り」などの全身的な症状がみられます。これらの原因は複数考えられますが、多くは、上下の歯の噛み合わせが悪く、下顎が前・後・横・斜めにずれて噛むことによって起きています。
下顎は、頭から『筋肉』や『靭帯』で吊られた状態になっています。噛み合わせがずれている場合、何キログラムもある頭を支えている肩や首、その他の筋肉に負担がかかり、バランスの崩れが全身的な症状となって現れるのです。
このことからも、噛み合わせが全身のバランスをとるためにいかに重要であるか、おわかりいただけるのではないでしょうか。


顎関節症の治療法

顎関節症は関節の疾患なので、歯科口腔外科に分類されます。
複数の原因が考えられるため、治療法もその原因に対応したものを選択する必要があります。

薬物療法
薬物療法
非ステロイド系抗炎症薬を使用します。薬の服用は、顎関節症治療として直接的な効果はありませんが、痛みによる二次的な緊張を取ることができます。
顎関節症には顎周辺の筋肉の緊張が関わっているので、痛みに耐えて力んでしまうよりも、薬を服用して筋肉の緊張を和らげる方が良いと考えられます。

運動療法
〈筋マッサージ〉 顎関節周辺の筋肉の緊張を緩和させるために行います。咀しゃく筋や側頭筋を押して、凝りを感じる部位を中心に揉みほぐします。
〈顎関節可動化訓練〉 歯科医師または患者さま本人が手で口を大きく開け、口の開く範囲を増大させます。補助器具を使うこともあります。

生活指導
日常生活でつい行なってしまう、顎関節に負担をかけるような癖を禁止します。頬杖やうつぶせ寝、痛みのある側での咀しゃく、硬いものをガリッと噛み砕くことなどを禁止します。また、歯ぎしりや食いしばりも、なるべくしないようにする必要があります。

スプリント療法
スプリント療法
スプリントとは、顎関節症治療用マウスピースのことです。さまざまな種類があるので、症状によって使い分けられます。

外科手術
外科的手術が必要となる患者さまは、顎関節症の患者さまのなかでわずか5%しかいらっしゃいません。残りの95%以上の患者さまは外科的手術なしで症状が改善するので、外科手術が必要となるのは重症の場合です。
通常は数日間の入院が必要となり、多くの場合、全身麻酔により手術を行ないます。手術後も薬物療法・運動療法などのリハビリテーションが必要となります。


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